100冊の本に挑戦  梅原猛「思うままに 神と怨霊」

梅原猛氏は京都大学出の哲学者であるが、それゆえに一般的にむつかしそうな近寄り難い感じが持たれているようだ。

私が梅原猛氏の本で最初に読んだのは「隠された十字架 法隆寺論」であった。この本はほんとにすごかった。
何がすごいというと、法隆寺聖徳太子に対するとらえ方が今までの概念を180度ひっくり返すような斬新な観点から述べられていたことだ。それ以来私は大の梅原猛ファンになってしまった。

この「思うままに 神と怨霊」は現代日本に欠けたものは何かをJRの事故、国鉄民営化、プロ野球イラク戦争、臓器提供等の実例や仏教、万葉集、作者自身のガンとの戦いなどあらゆるジャンルの事柄を通して氏の独特の話が載っており、ぐいぐい引き込まれていくエッセイ集になっている。