100冊の本に挑戦 井沢元彦 「言霊(ことだま)」 祥伝社NONbook

文頭に次のようにある。

 コトダマとは何か、一言で言ってしまえば、それは「言葉と実態(現象)がシンクロする」「ある言葉を唱えることによって、その言葉の内容が実現する」という考え方のことだ。
 もっと簡単に言えば、「雨が降る」と言葉を口にすれば、実際に「雨が降る」という考え方のことである。

井沢元彦氏は日本の歴史小説作家・推理作家で、有名な『逆説の日本史』で独特の歴史観を披露している私の大好きな作家の一人である。
この本の副題には「なぜ日本に、本当の自由がないのか」とあり、これこそが作者が訴えたい本題である。

読めば読むほど作者のユニークな学説にぐいぐい引き込まれていく。
内容をいくつか書き出すと
 
 ハイジャック犯強行突破論が許されない日本
 差別語に対する「言葉狩り
 「縁起の悪い言葉」は「不幸」を招く
 誤訳の「日米構造協議」
 「事変」という重大なごまかし
 「平和よ来い」は雨乞いと同じ
 三島由紀夫は、なぜ自決したのか
 肉を食べる時、殺してくれた人に感謝しない
 教会結婚式の「誓いの言葉」の真意
 将来、憲法の「写経」が行われる!?


などとても面白い問題点が独特の観点から述べられている。


そして最後に述べられているのが

 ”その日クラシー”に明日はない


作者は心から日本の現在と将来を憂えている。